ビリー・ホリデイ


 友達がレポートをやっつけてる間、図書館にて読了。

 「あたしから歌を取り上げたつもりなんだろうけど、あたしの黒い身体に染みついた歌をどうやって消し去るつもりなの」。私生児として生まれ、12歳で娼婦となり、その孤独・恐怖を歌と男と白い粉にぶつけて44歳であっというまにこの世を去った不世出のジャズ・シンガーBillie Holiday
 「マルコムX自伝」に「ミュージャンの半数はマリファナを吸っていた。そのなかには、当時ポピュラー・ミュージックでもっとも有名だった者たちの何人か、そして今日でもなおそうである何人かの名前もふくめなければならないだろう」と書いてありますが、この時代のミュージャンにとって、ドラッグをやる事はいたって普通の事だったんでしょうね。でも段々と追い詰められていくビリーの様子を読むのは辛いものがありました。なんだか胸が締め付けられるような、もう許してあげて、と言いたくなるような。

 装丁はオシャレだし、分量も少なめで読みやすいです。そして読み終わる頃には必ず彼女のファンになっていること間違いなし。かの有名な『奇妙な果実』を歌うことになったいきさつなんかも書かれてます。