選挙雑感


(あんまり政治的な事とか国際的な話題は書きたくないんですよね・・・。ネットって色んな思想の人がいるから。まぁそれがネットの良さだとは思いますが。)

 以前は親が選挙速報を見るのが理解できなかったんですが、やっぱり自分が関わるようになると意識が変わるものなんですね。バイトから帰ってきてずーっとテレビに釘付けでした。今年の2月に20才になって投票権を得てから、普段からニュースをよく見たり、選挙の時には広報に目を通したりっていうのを心がけるようになったし。

 自民大敗民主圧勝で思い出したのが、この本の一節。

ソウルの風景―記憶と変貌 (岩波新書)

ソウルの風景―記憶と変貌 (岩波新書)


こんな最悪の状況じゃなかったら、どうして他の候補を差し置いて、金大中のような全羅道出身者が大統領になれたというのですか?国民はあらゆる手段を試みて駄目だとわかり、最後の手段として彼に期待を寄せたのですよ。


 著者の友人で、金大中と同じく全羅道出身の人の言葉です(ちなみに全羅道は韓国の被差別地域で、韓国の歴代の大統領のほとんどはその全羅道と激しく対立している慶尚道の出身です。この対立は百済新羅の時代からという説がありますが、戦後の政治的思惑で作り上げられたとするのが妥当だと思います)。
 で、何が言いたかったかというと、今回の参院選もこれと一緒だったんじゃないかなーと。みんな、民主党の政策に期待しているわけではなく、「いままで我慢して任せてきたけど、もう限界だ!」と自民党に見切りをつけて、その結果がこうなったんじゃないかな、と思うわけです。よく考えたら、私も「対抗馬としての民主党」に期待しているだけであって、支持政党もないしどこも同じだなーと思っている人間なんです。まぁ、逆風と言われつつも結局今回も自民が勝つんでしょ?と思っていたので、民主の勝利は大きな驚き&素直に嬉しいですけどね。

 あ、紹介した「ソウルの風景」っていう本、派手さはないですけどすごく良いですよ。あたかも自分が韓国にいるかのような気分になれる。まぁ地域対立とか、歴代の大統領のこととか、あとは光州の民主化運動のこととか、若干予備知識は必要かもしれませんが。四方田先生の感情を抑えた冷静な語り口(書き口?)が素晴らしいです。