しらせ、南極
この日記ではあまり時事ネタを書いてこなかったけど、今日は気になるニュースがあったので。
スクラップ回避へ、「しらせ」保存に複数企業が名乗り
別に私は南極に行ったことがあるとかでは全くないのですが、この本↓
- 作者: 西村淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/09/29
- メディア: 文庫
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2,3年前になりますがこういう本を読んだことがありまして、ちょっと「しらせ」の行く末が気になっていたのです。
南極には主要各国が研究のために観測基地を設けています。日本であれば皆さん昭和基地を思い浮かべると思いますが、日本はもう一つ、昭和基地よりもはるかに過酷な標高3,800m(って富士山と一緒?)、平均気温-57℃にもなる場所に「ドーム基地」というのを持っているんです。この本は、1996年、第38次越冬隊としてそのドーム基地での越冬を経験された海上保安庁所属のシェフの方が書かれたエッセイ。
ドーム基地で越冬する研究員・設営隊員は総勢9名(全員男性です)。皆さん日本中の大企業や研究所から選りすぐって派遣された超エリート、プロフェッショナルなのですが、読んでいるとどうもその事を忘れてしまうくらい、みなさん個性豊かで面白い方たちです。
極限の状態で観測や研究を行う毎日ですが、一番大事なことは「水作り」だそうです。水の原料、つまり凍りは無限大にあるけれど、それを溶かさなくてはいけない。一日の初めに当直の人が氷を溶かす機械に氷を補給し忘れると、大変なことになっちゃいます。蛇口をひねればきれい(・・・かな?)な水が出てくる私たちの生活がいかに恵まれているか・・・。*1
ということでこの本にも最初と最後に颯爽と登場し、西村さんたちも乗られたしらせ、スクラップ処分にならなくて済みそうなので良かったです。