ブロック・パーティー


ブロック・パーティー [DVD]

ブロック・パーティー [DVD]


 DVDの発売を知ったときは「3月21日かぁ・・・、まだまだ先だなー」と思っていたのに、実際はあっという間に来てしまいました。年をとるって恐ろしい・・・。

 映画自体は去年「お一人様」で見ていたので(だってこんなある意味マニアックな映画に友達誘えないでしょう、1500円もするのに)細かい部分の復習?的な感じでもう一回鑑賞。やっぱりイイ。売り文句の「音楽は世界を変えられる」という言葉に対して私は懐疑的なのですが、でも人の心を動かす力は確実にありますよね。

 私は映画に疎いのでミシェル・ゴンドリー監督のこともまったく知らないのですが、メイキングを見て「こ、こういう人なんだ・・・」と驚きました。映画の内容(ドキュメンタリーだけど)からして、もっと人懐っこくて笑顔を絶やさない感じの方かと思ってました。インタビュアーの質問に対して「退屈な質問だ」とズバッと言ってのける姿に吃驚。すごく鋭い人で、当初デイヴ・シャペルの故郷オハイオの予定だったライブの会場を「ヒップホップに馴染み深いところのほうがいいと思った」とブルックリンのベッド・スタイ(Bed-Stuy。Bedford-Stuyvesant)に変更したのも監督なんだそう。ベッド・スタイといえば私はスパイク・リー監督の「Do The Right Thing」を思い出します。”Do or die, Bed-Stuy.”(←ライブのお客さんも言ってましたね)。

 そしてFugeesの再結成ですが。映画館で見たときも泣きそうになりましたが、家で見ててもやっぱりウルウル(私とフージーズの出会いは・・・もちろん彼らがFugeesとして超売れっ子だった頃を知りませんが、ローリン・ヒルを通じて彼らの存在を知りその音楽に触れてから、自分の中ではローリンと同じくらい、もしくはそれ以上の存在になりました)。そもそもはローリンのソロ曲の使用許可が下りなかったという偶然の産物だったわけで、監督も「再結成の話を聞いたときは本当に興奮した」そうです。でも「弁護士との話し合いが大変だった」、ワイクリフに至っては「俺たちローリンと会っても、ほとんど話もしなかった」とも・・・。正直言って、あの3人がそこまで悪い状態にいたとは思っていなかったのでショックでした。いや、もしかしたら今もそうなのかもしれませんが(だっておととしの暮れにシングル出してから音沙汰ないんだもん)、でも、そんなに大変だったんだ・・・。てっきり、ローリンがワイクリフとプラーズに軽い感じで電話してトントン拍子で話が進んだものだと。だってステージ上では何事もなかったようにパフォーマンスしてたし(プロなんだから当然か)、ローリンとワイクリフが楽しそうに掛け合いしてたし。
 ただ、プラーズが「確かに悪いこともしたけど人間なんだから当然だ」と言ってたのが気になります。ソロ作のクレジットを独占して訴えられたことを指してるのか、それとも巷で噂になってるあの話のことを指してるのか・・・気になって夜も眠れません(嘘つくな)。

 最後にデイヴが「俺のキャリアの中で最高の日」と言ってますが、そりゃそうでしょう、これだけのメンツを集めれば・・・。Fugees (Lauryn Hill, Wyclef Jean, Pras Michael), Kanye West, Mos Def, Talib Kweli, Common, Dead Prez, Erykah Badu, Jill Scott, The Roots, おまけにカニエの取り巻きとして出演のブレイク前のJohn Legend

 映画の最大のハイライトは、バックステージでワイクリフがマーチングバンドの学生を集め ”If I Was President” を合唱して、「なんでも白人のせいにするな、図書館へ行って勉強しろ。住んでるところに図書館がなかったら、市長か知事に言って作ってもらえ」と説教?するところですかねー。この人じゃないと言えない、経験に裏打ちされた深い言葉ですよね。